太陽電池

太陽光発電には、クリーンで無尽蔵なエネルギーとしての期待が益々高まっています。 太陽光発電で課題となっている発電効率の向上やコストダウンを達成するためには、高度な分析評価手法を用いた詳細な解析が不可欠となります。 以下には太陽電池の種類と特徴を示しました。

シリコン結晶系太陽電池

シリコン結晶系太陽電池の原形は1950年代にベル研究所で発明され、改良されてきたものです。このように早くから実用化された歴史的背景もあり、現在でも生産量の90%以上と主流になっています。

分析メニュー

部位・部材 項目 手法
表面電極 深さ方向不純物分析 二次イオン質量分析(SIMS)
表面元素分析 X線光電子分光法(XPS)
オージェ電子分光法(AES)
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)
表面形態観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
断面観察、元素分析 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB-SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
オージェ電子分光法(AES)
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)
シリコン 異物、汚染、残留などの
表面付着物分析
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
テクスチャー表面凹凸 原子間力顕微鏡(AFM)
走査型電子顕微鏡(SEM)
共焦点レーザー走査型顕微鏡(LSM)
極表面の酸化状態分析 X線光電子分光法(XPS)
表面元素分析 X線光電子分光法(XPS)
オージェ電子分光法(AES)
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)
不純物分析(バルク分析) 蛍光X線分析(XRF)
誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析
(LA-ICP-MS)
誘電結合プラズマ質量分析(ICP-MS)
グロー放電質量分析(GDMS)
不純物分析(C,O) フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
グロー放電質量分析(GDMS)
不純物分析(C,O,N,H) 二次イオン質量分析(SIMS) 
燃焼-赤外吸収法(C)
不活性ガスー赤外線吸収法(O)
不活性ガス融解ー熱伝導度法(H、N)
深さ方向不純物分析(微小部) 二次イオン質量分析(SIMS)
欠陥 フォトルミネッセンス(PL)
カソードルミネッセンス(CL)
不対電子の定量 電子スピン共鳴(ESR)
欠陥の観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB-SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
結晶粒径、配向方位 電子線後方散乱回折(EBSD)、X線回折(XRD)
キャリア濃度/抵抗率
の深さ方向プロファイル測定
拡がり抵抗測定法(SRA)
裏面電極 断面観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB-SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
ガラス基板 表面付着物(異物、汚染等) 飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
深さ方向不純物分析(微小部) 二次イオン質量分析(SIMS)
不純物分析(バルク) 蛍光X線分析(XRF)
誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
誘電結合プラズマ質量分析(ICP-MS)

シリコン薄膜系太陽電池

シリコン原料の枯渇に対する不安や製造コストダウンを図るために、半導体用のシリコン薄膜を製造する技術を応用した薄膜シリコン系の太陽電池への期待が高まっています。課題とされてきた変換効率も、光吸収層をタンデム積層する技術などにより改善されてきており、市場にも量産品が登場してきています。

分析メニュー

測定部位 分析項目 分析手法
透明電極 不純物分析 二次イオン質量分析(SIMS)
弾性率・硬さ ナノインデンテーション法
線膨張係数 線膨張測定
熱伝導率 熱伝導率(3ω法)
p,i,n層 加熱発生ガス分析 昇温脱離質量スペクトル(TPD-MS)
+ガスクロマトグラフィ(GC/MS)
ドーパント濃度分布 二次イオン質量分析(SIMS)
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
不純物濃度分布 二次イオン質量分析(SIMS)
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
不対電子の定量 電子スピン共鳴(ESR)
水素結合状態 フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
ラマン分光分析(Raman)
キャリア濃度 走査型キャパシタンス顕微鏡(SCM)
走査型拡がり抵抗顕微鏡(SSRM)
欠陥 透過型電子顕微鏡(TEM)
結晶化率・応力 ラマン分光法(Raman)
結晶子サイズ 透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回折(XRD)
電子線後方散乱回折(EBSD)、ラマン分光法(Raman)
裏面金属電極(-) 断面観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB-SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
基板 構成材料 蛍光X線分析(XRF)
誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
二次イオン質量分析(SIMS)
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)
背面金属電極(+) 断面観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB-SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)

化合物系太陽電池

シリコンを全く使用しない、多結晶化合物を用いた太陽電池も量産ベースで出荷が始まっています。化合物系太陽電池は、光吸収層の膜厚が2μm程度で十分であり、低温プロセスで製造可能なことからコスト的にも有利であり、今後の普及が期待されています。

分析メニュー

測定部位 分析項目 分析手法
透明電極 不純物分析 二次イオン質量分析(SIMS)
バッファー層 表面付着物(異物、汚染等) 飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
膜組成比 X線光電子分光法(XPS)
ドーパント濃度 二次イオン質量分析(SIMS)
バッファー層/
光吸収層
バレンスバンドオフセット X線光電子分光法(XPS)
光吸収層 元素の3次元分布 飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
加熱発生ガス分析 昇温脱離質量スペクトル(TPD-MS)
+ガスクロマトグラフィ(GC/MS)
表面凹凸 原子間力顕微鏡(AFM)
膜硬度 ナノインデンテーション
膜密度 X線反射率測定(GIXR)
表面状態(酸化) X線光電子分光法(XPS)
膜組成比・定量 誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
膜組成比 X線光電子分光法(XPS)
表面元素分析 X線光電子分光法(XPS)
オージェ電子分光法(AES)
電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)
断面元素分析 分析電子顕微鏡(AEM)
電子エネルギー損失分光法(EELS)
ドーパント濃度 二次イオン質量分析(SIMS)
不純物分析 蛍光X線分析(XRF)
誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
電結合プラズマ質量分析(ICP-MS)
二次イオン質量分析(SIMS)
キャリア濃度 走査型キャパシタンス顕微鏡(SCM)*
走査型拡がり抵抗顕微鏡(SSRM)*
*定量性はありません
断面形態観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB):スライス&ビュー
透過型電子顕微鏡(TEM)
結晶粒径、配向方位 電子線後方散乱回折(EBSD)、X線回折(XRD)
不対電子、欠陥定性定量 電子スピン共鳴(ESR)
発光スペクトル フォトルミネッセンス(PL)
カソードルミネッセンス(CL)
裏面電極 断面形態観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
収束イオンビーム(FIB):スライス&ビュー
透過型電子顕微鏡(TEM)
ガラス基板 表面付着物(異物、汚染等) 飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
不純物分析 蛍光X線分析(XRF)
誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
誘電結合プラズマ質量分析(ICP-MS)
二次イオン質量分析(SIMS)

有機系太陽電池

有機系太陽電池は、”シリコンでも化合物でもない新材料”による太陽電池として、開発の推進が期待されています。製造プロセスが容易であり、塗布(印刷)技術により低コストで大面積の製造が容易であること、フレキシブルであること、資源的制約がないなどの特徴は、安価な太陽電池を志向する上で非常に重要なキーワードといえます。

分析メニュー

構成成分 材料 評価項目 評価方法
電極部分 半導体薄膜
(酸化チタン、酸化亜鉛)
表面組成・化学状態、価数 X線光電子分光法(XPS)
多孔質膜の形態観察 走査型電子顕微鏡(SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
多孔質膜の構造解析 比表面積、細孔径分布測定
結晶性評価 ラマン分光法
ガラス基板 表面汚染
(密着性、はじきなどの汚染状態)
X線光電子分光法(XPS)
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
プラスチック基板 ガスバリア性 ガス透過率測定
ITO膜 表面形状観察 原子間力顕微鏡(AFM)
表面汚染 X線光電子分光法(XPS)
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)
増感色素 色素成分 吸収帯 UV~遠赤外吸収スペクトル
構造解析 フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
固体核磁気共鳴法(NMR)
ラマン分光法
電解液 溶媒 組成分析 ガスクロマトグラム質量分析法(GC/MS)
ポリマーゲル 電解液/半導体成分界面評価 走査型電子顕微鏡(SEM)
透過型電子顕微鏡(TEM)
架橋構造解析 固体核磁気共鳴法(NMR)
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
電子伝導配位成分 不純物 液体クロマトグラフ法(LC)
ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
固体核磁気共鳴法(NMR)
半導体との配位 固体核磁気共鳴法(NMR)

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