東レリサーチセンターが保有するペロブスカイト型太陽電池の分析・評価に関する技術を、以下にご紹介します。技術紹介などのご希望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご紹介技術情報(クリックで各項目にジャンプします)
- 高効率化ペロブスカイト型太陽電池の三次元イメージング及び分布評価
- ペロブスカイト型太陽電池の熱処理による特性向上の分析評価
- ペロブスカイト型太陽電池における電気特性及び結晶性評価
- ペロブスカイト型太陽電池の加熱発生ガス分析及び深さ方向元素分析
- ペロブスカイト型太陽電池における深さ方向の元素及び有機物分析
- ペロブスカイト型太陽電池光吸収層材料の組成・不純物分析
高効率化ペロブスカイト型太陽電池の三次元イメージング及び分布評価
金属ハロゲン化物ペロブスカイトを用いた太陽電池では、各層界面の修飾により、高い発電効率が得られます。
GCIB-TOF-SIMSを用いて、界面の修飾層の形成状態、各層の三次元分布を可視化、評価した事例を紹介します。
※大気非曝露環境下での試料加工、搬送、測定が可能です。
GCIB-TOF-SIMSによる3D成分分布評価

ペロブスカイト型太陽電池の熱処理による特性向上の分析評価
電池性能向上のために、ペロブスカイト層の電気特性や結晶状態を把握することが重要です。
技術資料では、熱処理時間及び発電特性の異なるペロブスカイト型太陽電池試料について、XRD測定、表面SEM観察及びSSRM測定を用いた複合分析評価により、ペロブスカイト層表面の形態、各領域の素性及び拡がり抵抗を評価した事例を紹介します。
※大気非曝露環境下での試料加工、搬送、測定が可能です。
XRDによる結晶構造及び結晶配向評価

SSRMによるペロブスカイト層表面の拡がり抵抗測定

ペロブスカイト型太陽電池における電気特性及び結晶性評価
技術資料では、熱処理時間の異なるペロブスカイト型太陽電池試料について、表面のSSRM測定とACOM-TEMにより、ペロブスカイト層の表面拡がり抵抗、粒子径または結晶相の割合や結晶方位を評価した事例を紹介します。
※大気非曝露環境下での試料加工、搬送、測定が可能です。
ACOM-TEMによるペロブスカイト層断面の結晶相評価

ペロブスカイト型太陽電池の加熱発生ガス分析及び深さ方向元素分析
熱処理工程において、材料から発生するガスや材料中の組成分布を把握することは熱工程改善に重要です。
技術資料では、加熱時に発生するガスをTPD-MS、試料中における深さ方向の元素分布をGCIB-TOF-SIMS及びDynamic-SIMSで評価した事例を紹介します。
※大気非曝露環境下での試料加工、搬送、測定が可能です。
TPD-MSによるペロブスカイト型太陽電池のオンライン発生ガス分析

ペロブスカイト型太陽電池における深さ方向の元素及び有機物分析
ペロブスカイト型太陽電池について、断面TEM、Dynamic–SIMS及びGCIB-TOF-SIMSを、大気非暴露雰囲気下で実施することで、元素や有機物の分布を高空間分解能・高感度で評価することが可能です。
主成分・微量元素及び有機物について、最適な分析手法による複合的評価から、材料開発指標が得られます。
※大気非曝露環境下での試料加工、搬送、測定が可能です。
ペロブスカイト型太陽電池の断面STEM観察

Dynamic-SIMS, GCIB-TOF-SIMSによるペロブスカイト型太陽電池の深さ元素分析

若宮教授からご提供いただいた試料の分析結果が、下記論文に掲載されています。
掲載論文
Hu, Shuaifeng ...[et al]. Optimized carrier extraction at interfaces for 23.6% efficient tin–lead perovskite solar cells. Energy & Environmental Science 2022, 15(5): 2096-2107
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/270359/1/D2EE00288D.pdfペロブスカイト型太陽電池光吸収層材料の組成・不純物分析
ペロブスカイト型太陽電池の高効率化を実現するためには、光吸収層材料の組成や不純物元素濃度を把握することが重要です。
ICP発光分光分析法、ICP質量分析法およびイオンクロマトグラフィーにより材料中の無機元素分析が可能です。
ICP発光分光分析法による光吸収層材料の組成分析
(単位 : 質量%)
MAPbI3・DMF | FAPbI3・2DMF | |
Pb | 29.7 | 32.2 |
I | 56.8 | 61.5 |
I / Pb | 3.13 | 3.12 |
※I/Pbは原子数比
注)3桁目は参考表示
〇PbとIの組成比を得ることが可能である。
〇溶液化処理においてPb, Iを損失させない工夫が必要。
試料提供:京都大学 若宮淳志教授
ペロブスカイト型太陽電池における深さ方向の元素及び有機物分析