固体核磁気共鳴法
(Solid-State Nuclear Magnetic Resonance:NMR)

原理

核スピン量子数Iが0ではない原子核を外部磁場(B0)の中に入れると縮退が崩れ、2I+1個のエネルギー準位に分裂する。これをZeeman分裂と呼ぶ。1H核や13C核のようなI=1/2の原子核の場合、下図の様に二つの準位に分かれる。この二つのエネルギー準位の差DEに相当する周波数νの高周波磁場を照射することにより、エネルギー吸収が起こり、下の準位のスピンは上の準位に励起する。これを共鳴と呼ぶ。励起状態から元の熱平衡状態に戻る過程を緩和という。固体NMRでは、スペクトルより定性的な化学構造情報をえられるだけではなく、定量測定による組成分析も可能である。また、分子運動性が反映される緩和時間を測定することで、結晶性や結晶化度、配向度、架橋度などの相対評価も可能である。

温度Tにおいて、状態にある
核スピン数の比はBoltzmann分布により、

室温では、10万個に数個の差

下の準位から上の準位に遷移する

熱平衝状態に戻る過程。
放出されるエネルギーは
分子運動、振動に消費される

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