液体クロマトグラフィー質量分析法
(Liquid Chromatography /
Mass Spectrometry:LC/MS/MS)

原理

  • 血漿、血清、尿などの生体試料中の薬物の定量分析には高速液体クロマトグラフ(HPLC) と三連四重極型質量分析計(MS/MS)を組合わせたLC/MS/MSが広く利用されている。
  • 生体試料は複雑なマトリックスであるため、除タンパク、液液抽出や固相抽出法等で夾雑成分を除去した後、 その試料をHPLCに注入し分析する。
  • HPLCは、オートサンプラー、送液ポンプ、分析カラム、カラム恒温槽などから構成され、薬物は分析カラムにより夾雑成分と分離される。薬物は、質量分析計へ導入され、大気圧イオン化法でイオン化される。極性が高い薬物ではエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を、脂溶性が高い薬物では大気圧化学イオン化(APCI)を選択する。
  • 1段目の四重極マスフィルターでは、薬物の分子量を反映したプレカーサーイオンだけが通過できるように質量数を選択する。
  • 1段目の四重極マスフィスターを通過したプレカーサーイオンは、コリジョンセル内のガス (アルゴンや窒素)との衝突により、プロダクトイオンを生成する。
  • 2段目の四重極マスフィスターでは、薬物の構造情報を反映したプロダクトイオンだけが通過できるように質量数を選択する。
  • 検出されたイオンは、薬物の構造や量を反映しており、目的の薬物のみを選択的に検出、定量することができる。

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