医薬・バイオ

既知、未知の天然物、医薬品、代謝物、不純物などの構造解析を行うことが求められていますが、微量であったり、壊れやすかったり、その手法は工夫が必要です。当社では、LC/MS、LC/MS/MSとあわせてLC-NMRを用いることで、微量成分を単離することなく有用な構造情報を得ることができます。また、酵素免疫測定法では、分離という手段を省略して生体成分中の物質を測定することができます。

  • 酵素免疫測定法

    抗原抗体反応を利用した抗原(タンパク質など)の濃度測定が可能です。マイクロプレートのウェル中で抗原抗体反応を進行させ、最終的に酵素反応により可視化させます。濃度既知の抗原を測定することにより得られる検量線から逆算することで、濃度未知の試料中に含まれる抗原濃度を測定することができます。

  • 液体クロマトグラフィー質量分析法

    質量分析計の前段にクロマトグラフィーを配置して分離を行うことで、混合試料を感度よく測定することが可能です。測定対象は低分子化合物に留まらず、タンパク質酵素消化物の測定によるプロテオーム解析や、様々な代謝物をターゲットにしたメタボローム解析などに欠かせない分析法となっています。

  • LC-NMR

    液体クロマトグラフィーとNMRを直結することで、高感度・分離ステップの軽減が可能です。微量成分(不純物・分解物・代謝物 等)や分離・精製によって壊れてしまう不安定物質の構造解析に威力を発揮します。特に、異性体間の構造の違いを同定したい場合など、構造の決め手となる情報が得られます。

  • 飽和移動差NMR

    主に低分子化合物(リガンド)とタンパク質の相互作用解析に用いられます。リガンド側を観測するため、タンパク質のラベル化などは必要ありません。タンパク質と相互作用するリガンドのシグナルのみが観測されることから、化合物のスクリーニングに有効です。また、シグナル強度の比較から、リガンド中のタンパク質との相互作用部位を同定することができます。

  • 等温滴定カロリメトリー (ITC)

    分子間の相互作用に伴う熱量変化を測定することで、結合親和性(Kd)、結合比(n)、エンタルピー変化(ΔH)及びエントロピー変化(ΔS)を求めることができます。求められた熱力学的パラメータから、静電相互作用や疎水性相互作用など相互作用の機序を明らかにすることができます。また、試料のラベル化や固定化を必要とせず、自然状態に近い溶液中で分析が可能なことも特長の一つです。