in-situ 昇温手法による正極材のガス発生と構造変化の関係性調査

記事No. 201910-03
タイトル

in-situ 昇温手法による正極材のガス発生と構造変化の関係性調査

著者 形態科学研究部 久留島 康輔
要旨 LIBの安全性向上のために、その部材である正極活物質の熱挙動について知見を得ることは重要である。
本稿では、LIB正極活物質LiCoO2について、TPD-MSによるガス分析とin-situ 昇温TEM法の2つのin-situ 昇温手法を用いて、昇温時におけるLiCoO2粒子の発生ガスと形態・組織・構造変化の関係性を調査した。その結果、ガス発生は構造変化と密接な関係にあることが示された。充放電挙動と酷似した変化も認められ、温度をパラメータにした一連の測定結果は、実材料を解析する上でも重要な知見になること、また、高分解能(40nm角程度の視野)でないと検出できない微視的構造変化(ドメイン構造の形成など)について、ASTAR*(*ASTARはNanoMEGAS社の登録商標)を用いることで1μm角以上の視野で可視化でき、定量的に解析できることを示した。
目次
(全4ページ)
  1. はじめに
  2. 実験方法
  3. TPD-MSを用いたガス発生挙動の観測
  4. in-situ昇温TEM法による組織変化の観察
  5. STEM像における形態・組織変化の観測
  6. HRSTEM像における結晶構造変化の観測
  7. 650℃以上の形態・組織・構造変化の観測
  8. まとめ
図表
  1. 専用チップ上に設置されたTEM観察用試料薄膜と観察方向(電子線(e-)入射方向)の模式図
  2. LiCoO2のTPD-MS測定結果におけるCO2, CO, O2(各々赤、紫および緑線)に関するMSカーブ
  3. in-situ 昇温TEM法によるLiCoO2のHAADF-STEM観察結果
  4. 図3(d)内に記載したA~Cの点において取得されたEELSスペクトル
  5. in-situ昇温TEM法によるLiCoO2[100]入射の高分解能HAADF-STEM観察結果
  6. 室温(23℃)から650℃の各温度点におけるin-situ昇温TEM法によるLiCoO2の(a)BF-STEM観察結果および(b)(a)と同視野におけるUnique grain map
  7. 700℃から1000℃の各温度点におけるin-situ昇温TEM法によるLiCoO2のHAADF-STEM観察結果
  8. 膨らんだ電池セルを解体し取り出した正極活物質LiCoO2粒子のTEM観察結果
  9. 本測定(TEM観察およびTPD-MS分析)結果の比較とまとめ
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