ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)

原理

高周波誘導結合プラズマ(ICP)を光源とする発光分光分析法である。試料溶液を霧状にしてArプラズマに導入し、励起された元素が基底状態に戻る際に放出される光を分光して、波長から元素の定性、強度から定量を行う。
装置への導入は希酸水溶液になる。固体試料は適切な試料前処理(技術要)により溶液化した後、測定に供する。通常、濃度既知の元素標準液により検量線を作成し、検量線法により定量を行う。
装置には、シーケンシャル型とマルチチャンネル型のものがあり、目的によって使いわけられる。

シーケンシャル型

回折格子を回転させて、一つの検出器(光電子倍増管)で光を検出する。
1元素ずつの測定になるが、分解能が高くなる。

マルチチャンネル型

複数の検出器(CCD)を用いて、各々、特定波長の光を検出する。
分解能は劣りますが、多元素同時測定が可能である。

シーケンシャル型ICP-AES装置の概念図
マルチチャンネル型ICP-AES装置の概念図