イオンクロマトグラフィー
(Ion Chromatography:IC)

原理

固定相にイオン交換樹脂、移動相(溶離液)に電解質の水溶液を使った液体クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー)である。得られたクロマトグラムのピークについて、標準液との保持時間の一致により成分を特定する。
検出器にはいくつかのものがあるが、電気伝導度計がよく使われている。検出器の前にイオン交換膜を設置するサプレッサー方式では、高感度にイオンを測定することができる。

イオンクロマトグラフー質量分析法(IC-MS)は、ICの検出器として質量分析計を接続した手法である。質量分析計では質量/電荷数(m/z)に応じて分離されるので、選択性が飛躍的に向上します。当社では、イオン化法にはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を、質量分析計にはタンデム質量分析計を用いている。
さらに、分離された分子イオンをコリジョンセルで開裂させ、生成したプロダクトイオン(分子イオンの構造を反映)検出することで極めて選択性の高い測定も可能である(IC-MS/MS) 。

ICおよびIC-MSの装置様式図

ICでは、水溶液中の塩化物イオン、フッ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどの陰イオン(アニオン)、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンなどの陽イオン(カチオン)を高感度で定量することができる。また、ギ酸などの低級有機酸、テトラメチルアンモニウムなどの低級アミン類も、高感度で定量することができる。水以外の液体試料、気体試料、固体試料については、適切な前処理を行うことにより、測定することができる。

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