導入装置紹介

NanoSIMS

二次イオン質量分析(SIMS)装置の一種であるNanoSIMS 50Lを海外を含めた受託分析機関として初めて導入しました。従来のダイナミックSIMS、TOF-SIMSでは不可能な最小50 nmの高空間分解能でイメージング分析、デプスプロファイル分析が可能です。

  • NanoSIMSの特徴

    • プローブ径が小さい(SIMSの中で最小)
      • - 微小領域の分析
      • - 高分解能イメージング分析
    • 高感度(不純物を検出可能)
  • NanoSIMSとSEM-EDX、EPMAとの比較

    機能 NanoSIMS SEM-EDX EPMA
    プローブ イオンビーム
    (Cs+、O-
    電子線 電子線
    空間分解能 ~50 nm ~100 nm ~100 nm
    検出下限 ~ppm 0.数 wt% 0.0X~0.1 %
    元素 H~U B~U B~U
    定性分析
    定量分析 定量分析(STD必要) 半定量分析(STD不要) 半定量分析(STD不要)
    定量分析(STD必要)
    特徴 ・不純物高感度分析
    ・同位体分析
    ・深さ方向分析
    ・空間分解能が高い
    ・多元素定性分析
    ・測定時間が短い
    ・空間分解能が高い
    ・多元素定性分析
  • NanoSIMS 50LとD-SIMS、TOF-SIMSの比較

    機能 NanoSIMS 従来のダイナミックSIMS TOF-SIMS
    一次イオン種 Cs+、O- Cs+、O- Bi++、Cs+、O-
    GCIB(Arクラスター)
    最少ビーム径
    (空間分解能)
    50 nm 10 μm ~300 nm
    分析深さ 数10 nm~1 μm 5 nm~100 μm 1~2 nm(最表面)
    質量分析計 二重収束型 セクター磁場型四重極型 飛行時間型
    不純物分析
    化学情報
    イメージング
  • 【ライフサイエンス】NanoSIMSとSEMによる生体細胞内元素分布の高空間分解能イメージング

    高感度・高空間分解能な元素イメージングが取得可能なNanoSIMSによる観察と、電子顕微鏡(TEM・SEM)観察を併せることで、生体組織中の元素分布を単一細胞レベルで詳細に把握することが可能である。

  • 【ライフサイエンス】生体組織内の特定タンパク質の可視化 ー質量イメージングへの免疫染色の適用ー

    免疫染色を高空間分解能質量イメージング(NanoSIMS)に応用することで、一般的な蛍光イメージングに比べて、より高い感度・選択性・空間分解能で目的とするタンパク質の分布の可視化が可能である。新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)の受容体を可視化した事例を紹介する。

  • ①【半導体】NanoSIMSによる三次元メモリデバイスの分析

    NanoSIMSは、 SIMS(二次イオン質量分析)の中で最も空間分解能が高く、同時に高い検出感度、高い質量分解能を両立することが可能な装置である。今回は、三次元メモリデバイスについて、TOF-SIMSおよびNanoSIMSを用いて評価した事例を紹介する。

  • ②【蓄電デバイス】NanoSIMSによる活物質コート層の被覆状態評価

    NanoSIMSは、 SIMS(二次イオン質量分析)の中で最も空間分解能が高く、同時に高い感度、高い質量分解能を両立することが可能な装置である。今回はLCO粉末上にコートされたLTO薄膜の被覆状態をNanoSIMSによるイメージングにて評価した事例を紹介する。

  • ③【半導体】NanoSIMS 50LによるSiC-MOSFETの2Dイメージングおよびデプスプロファイル

    二次イオン質量分析(SIMS)装置の一種であるNanoSIMS 50Lにより、SiC-MOSFETの表面から3Dイメージング測定を行い、分析後に特定箇所のデプスプロファイルの抽出が可能である。N型ドーパント(リン)を高感度で検出できており、最大で6桁のダイナミックレンジが得られる可能性がある。高感度な手法であるため、SEM EDXでは検出が難しい不純物元素も評価できる可能性がある。

  • ④【材料】NanoSIMSによる光ファイバー断面の二次イオンイメージ

    NanoSIMSにより、光ファイバー断面の二次イオンイメージ測定を行った。高い空間分解能と高い検出感度により鮮明な二次イオンイメージが得られている。クラッド層、コア層のF, Geの詳細な分布を捉えることが可能である。

  • ⑤【ライフサイエンス】抗体染色/NanoSIMSによる生体組織表面のタンパクイメージング

    NanoSIMS 50Lは、SIMS(二次イオン質量分析)の中で最も空間分解能のよい分析装置であり、また同時に高感度、高質量分解能を両立できる。TRCで新たにNanoSIMS測定用オリジナルプローブを設計し、抗体染色と組み合わせることで生体組織表面の特定タンパクのイメージングを可能とした。

  • ⑥【ライフサイエンス】NanoSIMSによる毛髪内部への薬剤浸透性評価

    NanoSIMSは質量イメージング装置の中で最も高い空間分解能(50nm)を有しており、高感度で微小領域(~µm)の元素イメージングが可能である。毛髪内部への薬剤浸透性評価として、安定同位体(重水素)標識化合物を浸透させた毛髪断面の高空間分解能イメージング例を紹介する。

  • ⑦【ライフサイエンス】NanoSIMSによる皮膚断面の高空間分解能イメージング

    NanoSIMSは質量イメージング装置の中で最も高い空間分解能(50nm)を有しており、高感度で微小領域(~µm)の元素イメージングが可能である。生体試料への適用として、皮膚断面の高空間分解能イメージングを行った例を紹介する。

  • ⑧【半導体】NanoSIMSによるSiC-MOSFET断面の元素分布評価

    NanoSIMSは、SIMS(二次イオン質量分析)の中で最も空間分解能が高く、同時に高い感度、高い質量分解能を両立することが可能な装置である。今回は、SiC-MOSFET断面についてNanoSIMSとTEM-EDXを用いて、元素分布を比較した事例を紹介する。