分析基礎講座【高分子レオロジー】

講座概要

身の回りの材料の変形・流動の性質は複雑であり、弾性力学や流体力学での表現は困難である。
一方で、レオロジーは変形と流動の科学であり、例えば、「室温で固体状であるプラスチックが高温で溶融させて成形される」や、「チューブから出したマヨネーズは形を保って流れないが、スプーンでかき混ぜると抵抗なく混ざる」といった、材料が持つ複雑な性質を系統的に表すことができる。
粘弾性に代表されるレオロジー測定は汎用性が高く比較的簡便に行えるようになっているが、経験の浅い初心者にとっては、信頼性高いデータを得るための手順や解釈などで、頭を悩ますことが多い。
本講座では、高分子材料にフォーカスして、レオロジーの基本概念について解説するとともに、具体的な測定事例や解析事例も紹介する。

カリキュラム

  • レオロジーとは(概論)
  • 事例紹介(基本編)
    1. 粘弾性の角周波数依存性(変形時間で性質が変わる)
    2. 粘弾性の温度依存性(粘弾性で反応をおう)
    3. 粘度の時間依存性(安定性を確認)
    4. 一軸伸長粘度(成形加工のパラメーター)
  • 事例紹介(応用編)
    1. 性能評価…静音化のための指標
    2. PETの溶融粘弾性
    3. 半導体封止樹脂の硬化シミュレーション、ゲル化点の決定
    4. 熱劣化したゴムの網目構造解析
  • 総合解析事例