特別講座【電気化学の基礎と燃料電池電極触媒の基礎】

開催日時
2018年12月19日(水)13:00~16:30
【申込締切:2018年12月18日(火)正午まで】
会場
東京都中央区日本橋本町1-1-1 METLIFE日本橋本町ビル 8階
(株式会社東レリサーチセンター内 第2会議室)
地図はこちら (Google Map)
受講料
45,000円(税込)
アカデミック価格について
講師
敬愛技術士事務所 森田敬愛

申し込み受付を終了しました。

講座概要

本講座ご受講の方には、講座テキストとは別に、
森田講師の最新著書「トコトンやさしい燃料電池の本 第2版」(2018年3月発刊)
を進呈いたします。

本講座は、数式の導出などは必要最小限にして、電子移動を伴う電気化学反応のイメージを作り上げ、燃料電池内部で起こっている反応を電気化学的に理解することを最終目標とします。
「燃料電池反応は水電解の逆反応」と一言でよく説明されますが、これらの反応が電気化学的にどのように進むのかをきちんと説明することは意外と難しいものです。

カリキュラムその1では、水電解の進む過程を電気化学的に理解し、その逆反応である水素酸化反応および酸素還元反応の理解へとつなげ、燃料電池の内部で起こっている反応を理解するために必要な電気化学の基本事項を解説します。

カリキュラムその2では、実際の燃料電池の内部で何が起きているのかを、カリキュラムその1で取り上げた電気化学の基本事項に基づいて理解していきます。
さらに、燃料電池の性能を左右する因子を挙げ、電気化学の視点で理解を深めていきます。

燃料電池の仕事にこれから初めて関わる方、すでに燃料電池に関わっているが電気化学の基本を今一度振り返りたい方、技術系ではないけれども燃料電池の勉強をする必要に迫られている方、などに受講をお勧めします。

カリキュラム

その1~燃料電池を理解するための電気化学

エネルギーの変換
  1. 化学エネルギーから電気エネルギーへの変換
  2. 水素+酸素の反応でのエネルギーの出入り
  3. 化学反応が進む方向~エンタルピーとエントロピーの関係
  4. 電位と電子エネルギー
水の電気分解を理解する
電気化学測定の基礎
  1. 電極の電位を知るにはどうする?
  2. 三電極式電解セル
  3. 金属の電子伝導帯とフェルミレベル
  4. 水電解時のアノード電位と電子の動き
  5. 水電解で酸素が発生する電位
  6. ネルンストの式
  7. 水素標準電極
  8. 水の電位窓
  9. 各種金属の標準電極電位
  10. 電気化学測定装置の構成と注意点
  11. 水電解時の酸素発生反応における電子移動
  12. 酸素還元反応における電子移動
電気化学反応を支配する因子
  1. 活性化エネルギー
  2. 触媒の働き
  3. 電流の表し方
  4. 触媒活性と分極曲線
  5. 電荷移動律速と物質移動律速
  6. Butler-Volmerの式とTafelの式
基本的な電気化学測定法
  1. サイクリックボルタンメトリー
  2. 回転ディスク電極法
電気化学的手法以外の電極触媒評価法
電気化学に関する教科書

その2~実際の燃料電池を理解する

燃料電池の概要
  1. 燃料電池の種類
  2. 燃料電池の歴史
  3. 燃料電池の発電原理
燃料電池の性能を支配する因子
  1. 各部材に求められる性能
  2. 起電力・過電圧
  3. 発電効率の計算
  4. 電極層の構造~膜-電極接合体(MEA)
  5. 三相界面
電極触媒の活性
  1. 電極触媒の性能向上に求められること
  2. 電極触媒の活性支配因子
電極触媒のPt比表面積
電極触媒の比活性
  1. 合金触媒
  2. 電極触媒の電子状態
電極触媒の質量活性の向上~コア-シェル型触媒
触媒の耐久性
  1. Pt粒子の耐久性
  2. 電位サイクル時のPt比表面積変化
  3. アノード触媒の耐CO被毒性
  4. カーボン担体の腐食
  5. カーボン腐食試験
  6. 電池起動時のカソード腐食
  7. 燃料欠乏時のアノード腐食
  8. 触媒耐久性の評価試験法~高電位保持試験
電解質膜の劣化
  1. 電解質膜の基本構造
  2. 過酸化水素の生成
  3. 過酸化水素生成率の評価~回転リングディスク電極法
  4. 過酸化水素生成率の評価~チャンネルフロー二重電極法
電極触媒の最近の研究開発動向
  1. コア-シェル型触媒
  2. 電極触媒の非貴金属化
  3. 担体の高耐久化
  4. 米国エネルギー省(DoE)2018 Annual Merit Reviewからのトピックス
燃料電池普及への課題
  1. Ptの資源量
  2. Ptの価格
  3. 電極触媒の今後の展望

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