材料や製品は、様々なプロセスから生成され、そのプロセスによって発生するガスは、多種・多様な成分が含まれており、トラブルを引き起こす原因となる可能性があります。トラブルの原因を特定、解明するためには、実際に曝される条件を的確に再現した分析メニュ-が必要となります。
発生ガスが引き起こすトラブルの例
加熱時発生ガスの操作例
加熱操作はパ-ジ&トラップ法(P&T:ダイナミックヘッドスペ-スとも言う)とヘッドスペ-ス法(HS:スタティックヘッドスペ-スとも言う)の2つに大きく分けることができます。分析の目的に応じた選択が必要です。
捕集方法例
成分により捕集方法が異なるため、目的に応じた捕集方法を的確に選択する必要があります。
| 捕集方法 | 主な捕集成分 |
|---|---|
| テドラ-バッグ、真空瓶 | H2、CO、CO2、N2、O2、揮発性有機成分、その他ガス成分 |
| 吸着剤(活性炭など) | C4~C30程度の一般的な有機成分 |
| 溶液(水、溶媒など) | 酸性ガス(HF、HCl、NOx、SOxなど)、塩基性ガス(アンモニアなど) 低級脂肪酸(ギ酸、酢酸など)、低吸アミン(トリメチルアミンなど) 高沸点有機成分、高極性有機成分 |
| 誘導体化カ-トリッジ(DNPHなど) | アルデヒド、ケトン、その他反応性有機成分 |
| フィルタ- | 粉塵、高沸点有機成分 |
加熱発生ガスの分析メニュー
| プロセス | 分析メニュ- | 主な分析手法 |
|---|---|---|
| 開発 | 化学反応時生成ガス分析 | GC、GC/MS 熱脱離GC、熱脱離GC/MS TPD-MS、TG-MS(ガス分析) FT-IR、HPLC、イオンクロマト |
| 製造 | 樹脂成形時発生ガス分析 | |
| 光照射時発生ガス分析 | ||
| 種々の工程(温度・湿度下など)での発生ガス分析 | ||
| 販売 | 梱包材・周辺環境からの微量汚染物の分析 | |
| 使用 | 使用温度(室温付近)での微量発生ガス分析 | |
| 使用環境雰囲気の分析 | ||
| 臭気トラブル解析 | ||
| 廃棄 | 燃焼生成ガス分析 | |
| 地中温度での発生ガス分析 | ||
| 微生物による分解ガス分析 |
| 手法 | 主な測定成分 |
|---|---|
| GC、GC/MS | H2、CO、CO2、N2、O2、有機成分、その他ガス成分 |
| 熱脱離GC、熱脱離GC/MS | C4~C30程度の一般的な有機成分 |
| TPD-MS、TG-MS | H2、H2O、CO、CO2、N2、O2、低沸点有機成分 その他ガス成分、発生成分の温度依存性 |
| FT-IR | CO、CO2、HCN、NOx、SOx、その他低分子ガス成分 |
| HPLC | アルデヒド、高沸点有機成分 |
| イオンクロマト | 酸性ガス(HF、HCl、NOx、SOxなど)、塩基性ガス(アンモニアなど) 低級脂肪酸(ギ酸、酢酸など)、低吸アミン(トリメチルアミンなど) |