触媒は、大きく均一系、及び不均一系に分類することができます。均一系の触媒は、溶媒に溶解することができ反応解析以外は、一般の組成分析と大きく変わりません。ここでは不均一系の触媒の分析メニューを示します。
光触媒については、JISにより触媒能の試験法が定められています。JISに定められている反応対象物以外の化合物についても、反応解析を含め対応可能です。
形態観察
触媒の形状、担体の結晶系、元素分析等一目で違いが分かり、試料間の比較が容易にできます。特に活性中心となる金属原子の分散状態について直接観察することにより活性の違いを説明することができます。
酸点・塩基点
担体に含まれている酸点、あるいは塩基点の数、強度は活性点と合わせ触媒活性に強く影響を与えます。
表面積
不均一系触媒は、反応される物質が活性点に輸送され反応することになります。したがって、面積が大きいほど表面に析出している活性点が多くなり反応を有利に運ぶことになります。
表面組成
一般的な元素分析では平均的な組成比を示します。触媒上の表面に出現している元素濃度は、平均組成比と異なっていることが多く、また、反応の段階により大きく変化していることがあります。
吸着状態
反応は、触媒表面に反応物質が吸着されることにより活性中心との距離が一定時間保たれ、反応を容易にすることになります。してがって吸着されている場所、吸着されている分子の状態は、反応活性に大きく影響を与えます。
分光測定
光触媒は、光子を吸収することにより活性を示します。したがって、吸収することができる波長と吸収強度は、光触媒活性に大きな影響を与えます。
分析メニュー
環境規制物質の閾値レベルと、当社での実測法
| 表面組成 | X線光電子分光法(XPS) |
|---|---|
| オージエ電子分光法(AES) | |
| X線マイクロアナライザー(EPMS) | |
| 走査型電子顕微鏡-X線分析 (SEM-EDX) | |
| エネルギー損失分光(ELLS) | |
| 表面原子の電子状態 | XPS |
| AES | |
| 電子スピン共鳴法(ESR) | |
| 紫外可視分光法(UV-VIS) | |
| メスバウアー分光法(Moss) | |
| 表面の原子配列 | 真空紫外光電子分光法(UPS) |
| 走査トンネル顕微鏡(STM) | |
| 原子間力顕微鏡(AFM) | |
| 金属種の分散度 | ガス化学吸着法(ゼロ圧外律法) |
| H2パルス吸着法 | |
| COパルス吸着法 | |
| XPS | |
| 透過電子顕微鏡(TEM) | |
| ガス吸着赤外分光法(FT-IR) | |
| X線回折法(XRD) | |
| 吸着種 | 赤外分光法(FT-IR) |
| ESR | |
| ラマン分光法(Raman) | |
| 脱離種 昇温熱脱離・熱分解一質量分析(TPD-MS) | |
| イオンクロマト(IC) | |
| 昇温ガス反応測定 | 昇温酸化反応(TPO) |
| 昇温還元反応(TPR) | |
| 昇温硫化反応(TPS) | |
| in situ測定 | FT-IR |
| UV-VIS | |
| ESR | |
| EXAFS | |
| 固体酸性 | アンモニアTPD法 |
| アンモニア微分吸着熱法 | |
| ビリジン吸着法(FT-IR) | |
| 表面積 | BET一点法(N2吸着法) |
| BET多点法(N2吸着法) | |
| BET多点法(Kr吸着法) | |
| 細孔径分布 | 水銀ポロシメータ法 |
| 吸着・脱着等温線法 | |
| 粒径と形状 | SEM |
| TEM |