1.固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell) の分析メニュー
材料探索&作製技術の評価
PEFCについて、触媒微粒子の微視的評価や、電解質膜探索からMEA製膜条件検証、触媒層設計に至るまで、多様な分析評価が必要となります。
MEA作製条件検証 | 各層厚み、均一性、触媒層構造 | SEM、EPMA |
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触媒の分散状態&形状・粒径分布 | 3D-TEM、TEM、粒度解析 | |
触媒層設計 | 触媒・電解質の分散状態 | 特殊試料作製TEM、EDX |
空隙の定量 | 水銀圧入法 | |
電解質膜探索 | 濡れ性 | 水蒸気吸着 |
電解質膜中のクラスター解析 | DSC、SAXS、TEM | |
耐熱性試験 | TPD-MS | |
水蒸気、酸素のガス透過性 | ガス透過率 | |
低温領域運転 | 電解質膜中の水の拡散係数 | 磁場勾配H-NMR |
不凍水の定量 | DSC | |
濡れ性・撥水性 (GDL、触媒層) |
濡れ性 | 接触角 |
水蒸気・水の透過性、透水圧 | パームポロメトリー | |
触媒の評価 | Ptの結晶子サイズ・PtRuの固溶化度 | XRD |
触媒の担持状態 | TEM、EDX、3D-TEM | |
CO被毒・酸化状態 | XAFS、XPS |
耐久性・安定性に関する要素試験
PEFCについて、動作に関連する種々の模擬試験を用いることで、触媒や電解質膜、MEAの構造変化を調べたり、力学特性を評価する事が可能となります。
過酸化水素曝露試験 (気相) |
電解質膜、触媒層等の化学安定性を評価する。 試験後の分析より、劣化機構解明も可能 |
温度:30~100℃、湿度:10~95%RH |
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電解質膜の力学試験 | 引張強度、膜厚方向の膨張率、圧縮疲労試験 | 温度:30~80℃、湿度:30~95%RH |
各材料の溶出試験 | セパレータ等の材料からの溶出物質を特定 | 溶出試験&ICP-MS等 |
劣化解析
PEFCについて、動作に関連する種々の模擬試験を用いることで、触媒や電解質膜、MEAの構造変化を調べたり、力学特性を評価する事が可能となります。
MEAの状態観察 | 触媒層の厚み、触媒層の構造 | SEM |
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元素マッピング(Pt、Ru、S、O、C、F等) | EPMA、TEM-EELS、LA-ICP-MS | |
触媒凝集・溶出再析出 | TEM、EDX、粒度解析 | |
触媒層の組成変化 | 触媒/カーボン/電解質の比率を算出 | ICP-AES、元素分析、F-NMR |
カーボンの劣化状態 | 結晶性の変化、酸化、官能基の増加 | XRD、Raman、XPS、TEM-EELS、水蒸気吸着 |
電解質膜のミクロ構造変化 | μmオーダーでの劣化を観測 | 断面の顕微Raman、EPMA、顕微FT-IR、TEM |
電解質の劣化分析 | フッ素系電解質の構造解析 | F-NMR、顕微ラマン(Raman) |
官能基の化学状態 | FT-IR | |
イオン交換容量 | 原子吸光 | |
分子量分布 | 溶液化&GPC | |
電解質の分解物解析 | 分解物を詳細に構造解析し、電解質の劣化機構を解明する | LC-MS、FAB-MS、GPC、F-NMR、H-NMR等 |
排出水中の電解質分解物 | Fイオン(F-)、SO4イオン(SO42-)等の低分子量劣化物や、 側鎖分解物等の比較的大きな分子量の電解質分解物を定性、 定量分析する。 |
イオンクロマト、LC/MS、IC-MS |
2.固体酸化物形燃料電池 (SOFC:Solid Oxide Fuel Cell) の分析メニュー
セルの断面形態解析 | ハニカム形状評価 | SEM |
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組成解析 | SEM-XMA、EPMA | |
固体酸化物(電解質)の 構造解析 |
結晶構造解析 | XRD(高温測定を含む)、TEM-ED |
表面/界面の元素分析 | TEM、TEM-EDX | |
価数変化の評価 | XAFS、XPS、TEM-EELS |