導入装置紹介

MALDI-MS高分解能MALDI-MS

新規MALDI-MSを導入いたしました。導入いたしましたMALDI-MS質量分析計にはSpiralTOFTM型イオン光学系が採用されており、高分解能測定が可能となっております。そのため、組成演算が可能となり、中~高分子量成分の定性能力が大幅に向上しました。また、ポリマー末端構造解析等に有効なKMD解析ソフトも搭載されております。このKMD解析を応用し、以下のような解析も可能です。

  • 分子量低下・末端変化にともなうポリマーの劣化解析
  • ポリマーの合成初期段階での反応機構解析

東レリサーチセンター・高分解能MALDI-MS独自の特徴

  • 独自のマトリックス選択におけるノウハウにより、幅広い化合物種の検出が可能
  • 豊富なポリマーの知識を用いたKMD解析により、劣化・反応機構を解析
  • その他の手法(IR, NMRなど)と組み合わせた総合解析が可能
  • 抽出・分解などの前処理技術を組み合わせた測定が可能

従来機種との比較

機能 従来機種 新規導入機種
TOF飛行長 約2m 17m
(Spiral型)
質量分解能 10,000 75,000
(元素組成演算が可能)
KMD解析 適用不可 適用可
(系統分析が可能)

技術資料 (ダウンロードできます)

  • ①高分解能MALDI-MSによる界面活性剤の末端構造解析

    高分解能MALDI-MSによる精密質量測定およびKMDプロット法を利用することで、界面活性剤混合物について、各成分の末端構造を特定することが可能である。

  • ②高分解能MALDI-MSによる顔料の分析

    最高レベルの質量分解能を有するMALDI-TOMS(SpiralTOF)を活用することにより、溶媒に不溶な化合物である顔料について、高分解能かつ高精度に測定を行うことが可能となり、元素組成を決定することもできた。

  • ③高分解能MALDI-MSによる界面活性剤の化学構造解析

    高分解能MALDI-MSによる精密質量測定およびKMD(Kendrick Mass Defect)プロット法を利用することで、複雑な化学構造を有する界面活性剤の同定を行うことが可能となる。

  • ④精密質量測定を利用した解析手法-Kendrick Mass Defect(KMD)解析-

    近年、装置の進歩により高分解能質量分析法(MS)が普及してきている。高分解能MSを利用することにより、複雑な混合物でも各成分を分離して検出できるようになるが、1つ1つのピークについて解析を行っていくのは長時間を要し、現実的ではない。効率よく解析を行うためにはマススペクトルの全体像を把握することが重要である。そこで、今回はマススペクトルの全体像を可視化する Kendrick Mass Defect(KMD)解析を紹介する。

  • ⑤高分解能MALDI-MSによるエポキシ硬化反応の追跡

    高分解能MALDI-MSによる精密質量測定およびKMD(Kendrick Mass Defect)プロット法を利用してエポキシの硬化反応を追跡した事例を紹介する。