金属、無機
金属、無機系ナノ粒子では、まず構成する金属元素の組成情報や粒子形態を明らかにすることが重要です。さらに、結晶構造などの高次構造も物性との特性を関連付ける上で不可欠な情報といえます。また、試料形態が液中の分散体であれば、分散状態の評価も必要な場合もあります。
炭素
ナノカーボン材料の代表格として、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられます。ナノチューブでは、形態や分子レベルでの内部構造評価が重要です。また、純度を確認するため評価も有用な場合もあります。
ポリマー
ポリマー系粒子では、粒子の組成情報、粒子形態を明らかにすることが重要です。また、特別な表面処理を施した場合には、表面官能基情報も必要になります。液中での分散体であれば、分散状態や電位評価も有効です。
カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブの製品としての性能は、直径、長さ、純度などと密接な関係があります。
特性を正確に評価するためには複数の手法を組み合わせて、総合的に解釈することが必要です。
分析メニュー
項目 | 手法 | |
---|---|---|
形態 | 長さ | SEM |
直径 | TEM、SEM、Raman、SPM | |
バンドル形成の状態 | TEM、SEM | |
純度 | G/D比 | Raman |
金属触媒 | 蛍光X線 | |
不純物 | TG-DTA | |
分散 | 分散状態 | 粒度分布 |
ポリマー微粒子
ポリマー微粒子に関係する分析項目・手法は、ポリマー材料としての分析項目と、粒子としての分析項目に大別されます。目的に応じて使い分けることが重要です。
分析メニュー
項目 | 手法 |
---|---|
樹脂の組成分析 | 分離、GPC、GC、GC/MS、FT-IR、NMR、MS、元素分析等 |
表面・断面形状観察 | SEM/EDX、TEM、EDX・EELS |
表面分析 | FT-IR、TOF-SIMS、XPS |
粒径・粒径分布 | SEM、TEM、光回折法、動的光散乱法、小角X線散乱(SAXS) |
粒子の力学特性 | 微小圧縮試験 |
ゼータ電位 | レーザードプラー電気泳動法 |
比表面積 | ガス吸着法 |
粒子表面の親水性・疎水性の比較 | ガス(水蒸気および窒素)吸着法 |
粒子と分散媒との親和性 | 湿潤熱、浸漬熱 |
ガス分析 (VOC、有機ガス、無機ガス) |
GC-FID、GC-TCD、GC/AED、誘導体化HPLC、IC |
不純物金属分析 | ICP-AES、ICP-MS、原子吸光分析法 |
有機元素分析 | CHN、O元素分析、S元素分析、ハロゲン(F・Cl・Br・I) |
化学分析 | 酸価、水酸基価、アミン価、シラノール基定量 |
劣化分析 | FT-IR、GPC、XPS、ESR、NMR等 |
残留モノマー、イオン分析 | HPLC、LC/MS、GC、GC/MS、イオンクロマト等 |