プリンター・複写機

プリンター・複写機分野は成熟した産業ではあるが、さらなる高画質化、高速化、高機能化、省エネルギー化、環境適合性が求められており、個々の要素技術の研究、部材の改良・開発が、継続的に進められている。電子写真方式・インクジェット方式を中心として、プリンター・複写機に関する分析について、具体的な分析項目と代表的な分析手法を印刷方式別・各要素部材別に紹介する。

分析メニュー

方式 部材 分析項目 分析手法
電子写真 OPCドラム 組成分析
(樹脂、CT材、CG材、添加剤等)
分離、HPLC、GC、GC/MS、FT-IR、NMR、MS等
表面・断面観察 OM、SEM/EDX、TEM/EDX
表面汚染分析 TOF-SIMS、XPS
CT層の深さ方向評価 切削法+FT-IR、Raman、TOF-SIMS、XPS等
トナー トナー粒子及びワックス分散状態の形態観察 SEM、染色法+TEM/EDX
バインダー樹脂の組成分析 FT-IR、NMR、PyGC/MS、GPC等
バインダー樹脂のTg、融点、軟化温度 DSC、温度変調DSC、μ-TA
トナー粒子の粒形分布・ゼータ電位 光回折法、動的光散乱法、レーザードプラー電気泳動法
ゴムローラ・ベルト 組成分析 FT-IR、熱分解GC/MS、固体NMR
劣化分析 FT-IR、XPS、TOF-SIMS
排気ガス分析 ガス分析
(VOC、有機ガス、無機ガス)
GC-FID、GC-TCD、GC/AED、誘導体化HPLC、IC
印刷物 トナー/紙の断面観察 OM、SEM/EDX、TEM/EDX
トナーの表面形状観察・分布観察 SEM、TOF-SIMS、μ-TA
インクジェット インク 色材(染料・顔料)の構造解析 HPLC、FT-IR、NMR、MS(MALDI、 FABMS等)、PyGC/MS、HPLC、LC/MS(化学分解/誘導体化を含む)
組成分析(溶剤、分散材、添加剤、上記色材の構造解析を含む) 分離、分取GPC、FT-IR、NMR、MS、GC、GC/MS、HPLC、LC/MS、IC、CE等
顔料の粒径・粒径分布 SEM、TEM、光回折法、動的光散乱法、SAXS
ヘッド インクジェットヘッドの膜組成、不純物分析 RBS/HFS、AES、D-SIMS等
インクジェットヘッドノズル詰り解析 顕微FT-IR、Raman、SEM-XMA
専用紙・印刷物 断面観察・インクの染み具合の観察 OM、SEM/EDX、TEM/EDX
表面コート層の組成分析 分離、FT-IR、NMR、PyGC/MS、蛍光X線、XPS、TOF-SIMS