実装・パッケージング 事例(4)
プリント基板の線膨張係数の評価
近年、電子デバイスは多層化・高密度化が進み、用いられる材料に要求される熱的寸法安定性はますます厳しくなっている。特に、プリント基板は実装されるパッケージと線膨張係数が異なり、実使用環境下あるいは信頼性試験(冷熱サイクル試験)でのはんだ接合部の劣化につながる。
ここでは、上記背景のもと、実装基板や接着剤の層間剥離やクラック、反りに関係するパラメーターとして「線膨張係数の厚み方向分布」に着目、これを評価した例を紹介する。評価は、厚み方向に30〜150μmのスライス片3〜5枚(3〜5層)を採取、これを試料に高精度レーザ熱膨張計(精度±20nm)を用い、各スライス片の厚み方向に対して行った。なお、当該評価は高精度レーザ熱膨張計を用いて初めて可能で、高精度装置の特長を生かした例である。
装置図

分析例 : ビルドアッププリント基板 − 積層材料の厚み方向分布 −
基板の厚み方向分布は、内層(中心部)から外層へ対称的に線膨張係数(α2)は増大し、ガラス転移温度(Tg)は逆に低下する傾向にあることが分かった。積層材であることから線膨張係数差の存在は予想できたが、このような分布の存在は本評価で初めて明らかになった事実であり、層間剥離やクラック生成、スルーホールの信頼性評価に重要な示唆を与える。
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