光触媒・触媒 事例(5)
水素製造用改質関連触媒のXPS、MS及びin situ FT-IRによる分析評価
環境負荷の小さい燃料電池が注目され、水素製造に関連する触媒について多くの研究が行われている。生成ガスの分析に加えて、反応に関する知見をより得るためには、触媒中の金属の状態分析や表面吸着種を調べることが重要である。
水蒸気改質反応
天然ガス(主成分CH4)を原料とした水蒸気改質(CH4+2H2O → CO2+4H2)によってH2を製造することができる。
ここでは、Pd / Al2O3触媒(前処理 : 800℃ H2 6% 1h)を用いて、生成ガスや金属の酸化状態を調べた例を示す。
実際には、触媒量やガスの濃度、流速についてさらに検討する必要がある。
TPD-MS
生成ガス中のH2は、質量分析(MS)やガスクロマトグラフィー(GC)によって観測。

高分解能 FT-IR
生成ガス中のCH4, CO, CO2は、高分解能でのFT-IRによっても精度かつ感度よく測定可能。
800℃ CH4 4%+H2O〜15%流通下

XPS
前処理や反応後、不活性雰囲気下で搬送し測定。金属の酸化状態を評価。

水性ガスシフト反応
改質反応により生成したH2には一般的に多くのCOが含まれており、CO濃度の低減 には、水性ガスシフト反応(CO+H2O → CO2+H2 :可逆反応)が利用されている。ここ では、Pt / CeO2-ZrO2触媒を用いて、触媒表面吸着種について in situ FT-IR(DRIFTS : diffuse reflectance infrared Fourier transform spectroscopy)から調べた例を示す。 前処理から測定まで試料を取り出さずに、その温度かつ雰囲気下で測定を行うことが可能。

赤外拡散反射(DRIFTS )の光学系
前処理 : 500℃ H2 6% 1h 反応温度 : 200 or 350℃
試料ガス(CO 0.5%+H2O〜2.5% あり or なし)流通下
200, 350℃においてCO(+水蒸気)を流通時の in situ IRスペクトル
CO吸着後に水蒸気を流通した IRスペクトル変化(200℃)
水蒸気流通下ではformate(HCOO-)が減少しCO2の発生が観測され、高温下ではより反応が進行しているものと考えられた。実際に、流通ガスの質量分析から高温下ではH2の生成が多く確認された。また、200℃においてCOのみを流通して吸着後、水蒸気のみを流通したところ、CO2の発生が見られたが、formateが減少し、引き続いてPtに結合したCOが減少していることが分かる。
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