環境規制物質 事例(6)
高分子材料中のCd,Pb,全Cr分析(ICP-AES)
−ISO/IEC17025認定業務−
ISO/IEC17025は国際的な試験所認定制度であり、当社の高分子材料中のCd, Pb, 全Cr分析は、製品評価技術基盤機構(NITE)から認定を受けている。当社の認定範囲や分析値の妥当性の確認結果を紹介する。
認定範囲および分析方法
認定範囲を表1に示す。フッ素系樹脂(PTFE,PFA等)以外の高分子材料に適用できる。
表1 試験所認定範囲(認定番号ASNITE/JCLA1092)
| 分類A | 分類 | 試験項目名称 | 試験規格番号 | |
|---|---|---|---|---|
| 分野 | 対象 | 試験技術 | ||
| 2 (ゴム及びプラスチック) |
30 (添加物) |
A.03 ICP(誘導結合プラズマ)-AES |
高分子材料(フッ素系樹脂を除く)中のCd, Pb, 全Cr分析 | IEC 62321:2008 8章 化学製品中の特定微量金属成分測定法 (平成15年度経済産業省) 密閉系酸分解A, B |
当社では、IEC62321:2008 8章をベースとして、試料を完全溶解させるために図1に示すような操作を行っている。RoHSやREACHで規制されているCr(Y)については、前処理でのCr(Y)の抽出効率の確保が難しいことが指摘されており、実際のCr(Y)量よりも過小評価となるおそれがある。このため、全Crを測定することでCr(Y)の最大値を見積もり、閾値に対するスクリーニングを行っている。

図1 高分子材料中のCd, Pb, 全Cr分析操作フローシート
当社分析値の妥当性と実試料の測定例
認証標準物質BCR-680の分析結果は、繰り返し10回の分析において認証値と良好な一致を示した(図2)。
また、(社)日本分析化学会が主催するプラスチック中有害金属成分の分析技能試験でも、過去5回の当社のZスコア*はすべて2以内で、良好であった(図3)。
* 観測データ と平均値の差を標準偏差で割ったもの

図2 認証標準物質BCR-680(Trace Elements in Polyethylene)の分析例

図3 技能試験のZスコアのプロット
| *技能試験の付与値 | Cd:5〜50mg/kg | |
| Pb:10 〜110mg/kg | ||
| Cr:10〜105mg/kgである。 |
RoHS指令施行前に製造されたコード被覆樹脂試料の分析結果を表2に示す。高濃度のPbが含まれる試料でも、再現性のよい結果を得ることが可能である。
表2 コード被覆樹脂試料中のCd, Pb, 全Cr定量分析例
| 定量分析結果 (mg/kg) | ||||
|---|---|---|---|---|
| Cd | Pb | 全Cr | ||
| 被覆(赤) | 1回目 | < 1 | 40,700 | 10 |
| 2回目 | < 1 | 40,300 | 10 | |
| 平均値 | < 1 | 40,500 | 10 | |
| 被覆(黒) | 1回目 | < 1 | 39,800 | 11 |
| 2回目 | < 1 | 39,500 | 11 | |
| 平均値 | < 1 | 39,700 | 11 | |
| 被覆(橙) | 1回目 | < 1 | 35,700 | 1,200 |
| 2回目 | < 1 | 35,600 | 1,200 | |
| 平均値 | < 1 | 35,600 | 1,200 | |





















