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分析事例

ディスプレイ、プリンター

プリンター・複写機 事例(5)

インクジェットプリントにおけるインクの染み込み評価

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インクジェット(IJ)プリンター用紙は、プリンターの性能向上にあわせて高画質化が求められている。そのため、IJプリントにおけるインクの染み込みを評価することは重要である。今回、IJプリンタ用紙およびインクの組成を各種分析手法を用いて解析した後に、印刷したIJ用紙の断面のTOF-SIMS測定を行うことによって、インクの染み込みの評価を行った事例を紹介する。 

IJプリンタ用紙の分析(SEM、IR)

IJプリンタ用紙(キャストコート紙およびレジンコート紙)のIP(Ion Polish)加工を行い、断面のSEM観察を行った。また観測された各層のIR測定を行った。さらに、全体のクロロホルム、メタノール、水による逐次抽出を行い、各抽出物を調べた。


IP加工後のSEM観察


各層のIRスペクトル

上記の分析結果より、各層に存在する有機成分は下表のように推定される。

レジンコート紙 光沢付与層・インク受容層 PVA、ジエチレングリコール、乳酸 etc
キャストコート紙 光沢付与層 スチレン-アクリレート共重合体、カチオン性界面活性剤 etc
インク受容層 PVAc、脂肪酸、界面活性剤 etc

IJプリンタ用紙の分析

同じIJプリンタ用紙にマゼンタインクを印刷し、断面のTOF-SIMS測定を行った。

マゼンタインクの組成(分析データ)

印刷前
印刷後
  OP観察 Total ion m/z 58
C3H8N+
m/z 216
C12H26NO2+

TOF-SIMS 正二次イオン像(レジンコート紙)

印刷前
印刷後
  OP観察 Total ion m/z 58
C3H8N+
m/z 216
C12H26NO2+

TOF-SIMS 正二次イオン像(キャストコート紙)

印刷後の両用紙で、マゼンタインク中の界面活性剤およびそのフラグメントイオン由来と推定される分布が確認された。インク中の高感度成分を観察することによって成分の深さ方向の染み込み具合を確認することができる。