Toray Research Center

  • HOME
  • 分析対象
  • 分析メニュー
  • 分析事例
  • 会社案内
  • お問い合わせ
HOME > 分析事例 > 電池・エネルギー > リチウムイオン電池
 

分析事例

電池・エネルギー

リチウムイオン電池 事例(11)

リチウムイオン電池のリサイクル動向

その他の分析事例はこちら

レアメタルの多用等の観点から、リチウムイオン電池関連企業はリサイクルを視野に入れた事業展開が必要とされている。リサイクル分野の最新の技術動向/業界動向/世界の法規制等の情報および解析データは事業把握に不可欠である。ここではリチウムイオン電池のリサイクル動向に関する調査事例を紹介する。

リサイクルの背景

リチウムイオン電池の主な構成材料

正 極 LiCoO2, LiNiO2, LiMnO2, LiFePO4, 複合系 等
負 極 炭素材料(グラファイト等)
電解質 有機溶媒(LiPF6 等)
セパレータ 樹脂材料(ポリエチレン, ポリプロピレン 等)
容 器 Fe, Al 等

経産省「レアメタル確保戦略」に基づく備蓄対象であること、主な生産国への政情懸念、価格の観点から、レアメタルのCo, Ni, Mn 等を含む正極がリサイクル対象として第一候補とされている。
一方、熱的安定性、資源量、価格(コスト)等の観点から、開発重点は主原料がMn , Feの正極へ移行している。

正極材料の比較

  LiCoO2 LiNiO2 LiMnO2 LiFePO4
主な特徴
  • 現在の主流
  • 良好なサイクル特性
  • 熱的安定性に課題
  • Coの毒性
  • 放電容量が比較的高い。
  • 熱的安定性に課題
  • 熱的安定性に比較的優れる。
  • 放電容量が比較的低い。
  • 熱的安定性に優れる。
  • 高速充放電が困難。
主原料
(1)資源量
(2)主生産国
(3)価格比較
Co
(1)13百万t
(2)コンゴ、キューバ
(3)高価格、値動き大。
Ni
(1)150百万t
(2)豪州、キューバ
(3)高価格、値動き大。
Mn
(1)5,200百万t
(2)南アフリカ、ウクライナ
(3)低価格
Fe
(1)−(豊富)
(2)ロシア、豪州
(3)低価格
最近の動き 日立製作所
:Mn系材料で、寿命を2倍にする技術を開発(2010年4月)。
三井造船
:製造プロセスを開発し量産へ (2006年7月, 2010年5月)。

出所:JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)レアメタル備蓄データ集(2010年)等

リサイクル業界の動向

リサイクルを実施している主な企業

現在はCoのリサイクルが中心。企業により、電池メーカー、合金メーカーなど納品先が異なる。
企業 概要
TMC株式会社(日本) 主に製造工程内スクラップをリサイクル。金属Coを生産。電池メーカ等へ納品。
神岡鉱業株式会社(日本) 主に製造工程内スクラップをリサイクル。130 t /年規模で金属Coを製造。合金メーカー等へ納品。
日本リサイクルセンター株式会社
(日本)
製造工程内スクラップおよび市場から回収した電池をリサイクル。 Coを主成分とした合金を製造。
TOXCO 社(米国) 様々なサイズのリチウムイオン電池からリチウムを回収している。。
Umicore Battery Recycling
(Umicore group)(ベルギー)
リチウムイオン電池とニッケル水素電池のリサイクルプロセスを開発。

国内におけるリサイクルシステム

小型リチウムイオン電池:JBRCを中心にリサイクルシステム有り
大型リチウムイオン電池:メーカー毎等の動きに止まり、業界全体での動きに至っていない。

最近の動き

日鉱金属:2010年3月 リサイクル工場を竣工。2011年度から事業化。Ni系、Mn系、複合系をリサイクルのターゲットとする。
日産・住友商事:2009年10月 電気自動車の電池を住宅用蓄電池などへ2次利用する検討を開始。

今後の課題は、Co以外のレアメタルのリサイクル(技術面・採算面の両観点から)と大型リチウムイオン電池のリサイクルシステムの構築と考えられる。

リサイクル業界の外部環境

各国の主な施策・法規制

日本
  • 2009年8月、経済産業省が日鉱金属に「リチウムイオン電池からのレアメタルリサイクル技術開発」事業を委託。
  • 資源有効利用促進法・・・資源有効利用目的
米国
  • 2009年8月、エネルギー省(DOE)は電池リサイクル会社のTOXCO社に950万ドルを授与。 TOXCO社はリチウム電池リサイクル工場を設立する計画。
  • 電池リサイクル州法・・・資源有効利用目的
  • 電池 連邦法・・・環境規制目的
EU
  • (新)電池指令(2006/66/EC)・・・環境規制目的
ドイツ
  • 2009年8月、ドイツ政府はリチウムイオン電池のリサイクルパイロットプラント設営のためChemetall社に570万ユーロを授与。

新車販売台数に占める電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及目標(政府目標)


先端技術調査研究室では、調査研究を受託しております。 → 受託調査のページ